ENEOSでんきのVプランはどんな料金プラン?
Vプランは、ENEOSでんきの一般家庭向け料金プランです。
北海道、東北、関東、中部、北陸、九州では地域ごとのVプランがあり、関西、中国、四国ではAプラン・Bプランという名称で提供されています。
そのため「ENEOSでんきの料金は全国どこでも同じ」ではありません。
住んでいる地域の料金表を確認する必要があります。
基本的な考え方は、多くの地域で一般家庭が使いやすい3段階の従量料金です。
電気を使った時間帯で単価が変わるのではなく、1か月に使った電力量に応じて単価が変わります。
ENEOS自身もVプランを、電気使用量が多い家庭、ポイントを貯めている人、ENEOSのガソリンスタンドを利用する人などに向くプランとして案内しています。
オール電化向けやEV向けには別プランもあるため、Vプランは「ENEOSでんきの中で一般家庭がまず確認する標準的なプラン」と考えると分かりやすいでしょう。
関東の東京Vプランはいくら?
関東では「東京Vプラン」が提供されています。
対象は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県の一部です。離島は対象外です。
基本料金は、
10Aが311円75銭。
15Aが467円63銭。
20Aが623円50銭。
30Aが935円25銭。
40Aが1,247円。
50Aが1,558円75銭。
60Aが1,870円50銭です。
電力量料金は、
最初の120kWhまでが1kWhあたり29円80銭。
120kWhを超えて300kWhまでが34円85銭。
300kWhを超えた部分が36円90銭です。
300kWhを超えた場合も、使用量全部が36円90銭になるわけではありません。
最初の120kWh、次の180kWh、それを超えた部分へそれぞれの単価を適用します。
料金表を見ると、特に120kWhを超えたあとの単価を抑えた設計になっています。
そのためENEOSでんきが「使用量が多い家庭ほどおトク」と案内している理由は、電気を多く使うほど後半の単価差が積み上がりやすいからです。
電気を多く使う家庭ほど料金差が出やすい
ENEOSでんき公式サイトでは、東京Vプランと「にねん とく2割」を組み合わせた場合の試算が掲載されています。
40A契約で平均月300kWhを使う2〜3人家族なら、東京電力エナジーパートナーの従量電灯B・Cと比べて年間約4,720円おトクという例です。
平均月400kWhの4人家族なら年間約8,620円おトクという例も示されています。
ただし、この数字をそのまま「ENEOSへ変えれば年間8,620円安くなる」と受け取らない方がいいでしょう。
公式試算には燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれていません。
また使用量や契約内容によって結果は変わります。
この試算から読み取るべきなのは固定の節約額より、使用量が増えるほどVプランの電力量料金単価の差が効きやすいという料金設計です。
一人暮らしで毎月100kWh前後しか使わない家庭と、家族で400kWh以上使う家庭では、切り替える意味が同じではありません。
「にねん とく2割」は何が安くなる?
ENEOSでんきには「にねん とく2割」という長期利用向けの割引があります。
名前に「2割」と入っていますが、電気料金が20%引きになる制度ではありません。
ここは誤解しやすいところです。
割引されるのは電力量料金単価です。
適用開始から24か月間は1kWhあたり0.2円引き。
3年目以降は1kWhあたり0.3円引きになります。
たとえば毎月400kWh使う家庭なら、1〜2年目は単純計算で月80円、年間960円分の電力量料金割引になります。
3年目以降なら月120円、年間1,440円です。
公式サイトでもこの使用量を例に同じ割引額を示しています。
一回の請求で大幅に安くなる割引ではありません。
ただ、毎月使う電気へ継続的に割引が入るため、長く契約する人ほど積み上がります。
にねん とく2割は途中解約に注意
にねん とく2割は、2年以上の利用を約束する代わりに電力量料金を割り引く仕組みです。
適用開始から24か月が一つの契約期間になり、最後の月とその前月が更新月です。
更新月に解約の申し出がなければ自動更新されます。
更新月以外の適用期間中にENEOSでんきを解約したり、にねん とく2割だけを廃止したりすると、1,100円の解約手数料がかかります。
割引額そのものは1kWhあたり0.2円または0.3円なので、短期間で引っ越しや電力会社変更を予定している人は、割引だけを見て付けない方がいい場合があります。
反対に、
しばらく同じ家に住む。
電力会社を頻繁に変える予定がない。
毎月の電気使用量が多い。
という家庭なら、長期利用による割引を受けやすくなります。
「申し込めるなら付けた方が得」ではなく、2年以上使う可能性と途中解約の条件まで含めて判断する割引です。
ENEOSカードを使う人は電気との相性がいい
ENEOSでんきには、ENEOSカード利用者向けの特典があります。
普段からENEOSのサービスを使い、対象のENEOSカードで電気料金を支払う人は、電気契約をまとめる意味が出やすくなります。
またカードの種類によっては電気料金の支払いでポイントが貯まる仕組みがあります。
ENEOSカードPまたはSでENEOSでんきを支払う場合、公式案内では利用1,000円ごとに6ポイントが貯まります。
ENEOSでんきの特徴は、電気料金だけを独立して見るより、
電気の単価。
にねん とく2割。
ENEOSカード。
普段のENEOS利用。
と組み合わせて考えられるところです。
ガソリンをほとんど入れない人でもENEOSでんきは契約できます。
ただ、日常的にENEOSを使っている家庭ほど、料金以外の特典も含めて一つの経済圏にまとめやすくなります。
ポイントを貯める使い方もできる
ENEOSでんきではポイント特典も用意されています。
公式サイトではVポイントをはじめ、ポイントを貯めている人をVプランのおすすめ対象として挙げています。
電気は毎月必ず発生する支出なので、料金差だけではなく、支払いからどれだけポイントを回収できるかも長期では差になります。
ただしカード特典とポイント特典は、支払い方法や利用するカードによって条件が異なります。
「ENEOSでんきなら自動的にすべてのポイントが最大限貯まる」と考えず、自分が普段使っているカード・ポイントの条件を確認した方がいいでしょう。
ポイント目的だけで電力会社を変えるより、まず電気料金が自分の使用量に合うかを確認し、そのうえでポイントを上乗せと考える方が失敗しにくくなります。
ENEOS都市ガスと一緒ならセット割もある
対象エリアではENEOS都市ガスとENEOSでんきを一緒に契約する使い方もできます。
適用条件を満たす場合、でんき・ガスセット割として電気料金から毎月100円、年間1,200円が割り引かれます。
対象は東京電力パワーグリッド、東京ガス、京葉ガス管内の利用者です。
すでにENEOS都市ガスを利用している家庭、または電気とガスを同時に見直したい家庭なら、電気単体の料金差だけでなくセット割まで含めて考えられます。
ただし全国どこでも使える割引ではありません。
ENEOSでんき自体は複数地域で提供されていますが、都市ガスやセット割にはエリア条件があります。
自分の住所で対象になるかを確認する必要があります。
ENEOSでんきには燃料費調整額の上限がない
ENEOSでんきを検討するとき、割引と同じくらい重要なのが燃料費調整額です。
電気料金には、原油、LNG、石炭などの燃料価格変動を反映する燃料費調整額が含まれます。
ENEOSでんきには、この燃料費調整額の上限がありません。
大手電力会社の規制料金では燃料費調整額に上限が設定されている場合があります。
そのため燃料価格が大きく高騰したときには、通常の電力量料金がENEOSでんきの方が安くても、燃料費調整額を含めた最終請求では規制料金より高くなる可能性があります。
ENEOS自身も公式サイトでこの点を明記しています。
新電力の料金比較では、
「1kWhあたり何円安いか」
だけを見てしまいがちです。
しかし実際の請求は、
基本料金。
電力量料金。
燃料費調整額。
再エネ賦課金。
各種割引。
を合わせて決まります。
特に東京電力の従量電灯Bなど規制料金から切り替える場合は、この燃料費調整の違いまで理解しておく必要があります。
東京電力スタンダードSと比べるとどうなる?
関東の東京Vプランと東京電力スタンダードSを料金表で見ると、基本料金と最初の120kWhまでの電力量料金は同額です。
30Aならどちらも基本料金935円25銭。
120kWhまではどちらも29円80銭です。
差が出るのは、その先です。
ENEOS東京Vプランは120kWh超〜300kWhが34円85銭、300kWh超が36円90銭。
東京電力スタンダードSは120kWh超〜300kWhが36円40銭、300kWh超が40円49銭です。
そのため使用量が増えるほど、料金表上はENEOS側の単価差が大きくなります。
ただし両方とも自由料金プランで、実際の請求では燃料費調整などが入ります。
「東京Vプランの単価が低い」ということと、「毎月必ずその差額だけ安くなる」ということは分けて考えた方がいいでしょう。
一人暮らしでもENEOSでんきへ変える意味はある?
一人暮らしでも契約できます。
ただし電気使用量が少ないほど、Vプランの料金設計によるメリットは小さくなりやすいです。
東京Vプランの場合、120kWhまでは東京電力スタンダードSと同じ29円80銭です。
毎月の使用量がこの範囲に収まりやすい家庭では、120kWhを超えた部分の単価差をほとんど活かせません。
もちろんENEOSカードやポイント、ガスセット割など別の特典が合う場合はあります。
しかし「ENEOSでんきは安いらしいから」という理由だけで切り替えるなら、自分の使用量を先に確認した方がいいでしょう。
家族が増えたり在宅時間が長かったりして、毎月300〜400kWh以上使う家庭ほど、Vプランの特徴は分かりやすくなります。
オール電化やEVならVプラン以外も確認したい
ENEOSでんきにはVプラン以外の料金プランもあります。
オール電化プラン。
EV夜とくプラン。
自家消費応援プラン。
動力プラン。
などです。
エコキュートを使い、夜間に電気使用量が大きくなる住宅なら、時間帯を問わないVプランだけで決める必要はありません。
EVを自宅で充電する家庭も同様です。
Vプランは一般家庭向けとして分かりやすい一方、電気を使う時間帯や設備に明確な特徴がある家庭では、専用プランの方が生活に合う可能性があります。
ENEOSでんきを選ぶことと、Vプランを選ぶことは別の判断です。
まずENEOSでんきが候補になるかを見て、そのあと自分の設備・使い方に合うプランを選ぶ方が自然です。
切り替える前に料金シミュレーションを使った方がいい
ENEOSでんきには料金シミュレーションがあります。
電力会社の料金は、世帯人数だけでは正確に比較できません。
同じ4人家族でも、
オール電化か。
在宅時間が長いか。
エアコンをどれだけ使うか。
契約アンペアはいくつか。
によって使用量が変わります。
そのため、公式サイトに掲載されている「年間約○円おトク」という例だけで判断するより、現在の検針票や使用量を使ってシミュレーションした方が実態に近くなります。
特に確認したいのは直近1年の月間使用量です。
夏と冬だけ400kWhを超えるのか。
年間を通して300kWh以上使うのか。
ほとんど120kWh以下なのか。
ここが分かれば、Vプランの後半単価が自分にどれくらい効くか見えてきます。
ENEOSでんきはどんな人に向いている?
ENEOSでんきのVプランが分かりやすく向いているのは、電気使用量が比較的多い家庭です。
関東の東京Vプランでは120kWhを超えた部分、特に300kWhを超えた部分の単価が東京電力スタンダードSより低く設定されています。
家族世帯や在宅時間が長い家庭では、この差が積み上がりやすくなります。
2年以上使う予定なら、にねん とく2割も組み合わせられます。
普段ENEOSカードやポイントを利用している人、対象エリアでENEOS都市ガスもまとめられる人なら、電気以外の特典も活かしやすくなります。
反対に、毎月の電気使用量がかなり少ない人は、料金単価のメリットが小さい場合があります。
短期間で引っ越す可能性が高い人は、にねん とく2割の解約条件にも注意が必要です。
また大手電力会社の規制料金から切り替える場合、燃料費調整額に上限がなくなる点を理解しておく必要があります。
ENEOSでんきは「ENEOSを使う人なら自動的に得」ではなく、電気を多く使い、長く契約し、ENEOS系の特典まで組み合わせられる家庭ほどメリットを作りやすいサービスです。
まとめ|ENEOSでんきは使用量が多い家庭ほど料金設計を活かしやすい
ENEOSでんきは、ENEOS Powerが提供する家庭向け電力サービスです。
一般家庭向けの中心となるVプランは、地域ごとに料金が設定されています。
関東の東京Vプランでは、基本料金と最初の120kWhまでの電力量料金は東京電力スタンダードSと同額ですが、120kWhを超えたあとの電力量料金が低くなっています。
そのため電気使用量が多い家庭ほど、料金表上の差が積み上がりやすい設計です。
さらに2年以上利用するなら、にねん とく2割で電力量料金を1〜2年目は1kWhあたり0.2円、3年目以降は0.3円割り引けます。
ただし更新月以外の解約では1,100円の解約手数料がかかります。
ENEOSカードやポイント、対象エリアのでんき・ガスセット割もあるため、普段からENEOSのサービスを利用している人は特典をまとめやすくなります。
一方で、燃料費調整額には上限がありません。
大手電力会社の規制料金から切り替える場合は、燃料価格が大きく上がったときに料金が高くなる可能性まで含めて比較する必要があります。
ENEOSでんきを検討するときに見るべきなのは、「ENEOSだから得か」ではありません。
自分が毎月どれくらい電気を使うか、2年以上使うか、ENEOSのカードやガスを利用するか、燃料費調整の違いを許容できるか。
ここまで当てはめると、ENEOSでんきへ切り替える意味がある家庭かどうか判断しやすくなります。