Zapier Agentsはどんなサービス?
Zapier Agentsは、特定の仕事を担当するAIチームメイトを作り、会社のデータや外部アプリを使って仕事を実行させるサービスです。
最大の特徴は、Zapierが長年作ってきたアプリ連携をAgentからそのまま使えることです。現在は9,000以上のアプリを対象に、データを調べたり、レコードを更新したり、通知したりといった行動をAIへ渡せます。
たとえばMeeting Prep Agentなら、予定されている商談の参加者や企業を調べ、必要な情報をまとめます。Lead Qualification Agentなら、フォームから来た見込み客を調査・スコアリングし、条件に合う相手を営業へ知らせます。Support Agentならナレッジを使って問い合わせへ回答し、複雑なケースだけ人間へエスカレーションできます。
AgentにはFAQ、ドキュメント、公開URLなどをData Sourceとして与えられます。単に一般知識で答えるのではなく、会社固有の情報を参照しながら仕事をさせられます。
またWeb browsingにも対応しているため、接続済みアプリ内の情報だけでなく、必要に応じてWeb上を調査できます。Chrome拡張からAgentとやり取りすることもできます。
普通のZapでは、人間が「このTriggerの後にこのAction」と流れを設計します。Agentsでは「この見込み客を調べて、条件に合えば必要な処理をして」のように目的を渡し、状況に応じてAgentが行動します。
つまりZapier Agentsは、Zapierの膨大なアプリ連携を、固定された自動化フローだけでなくAI自身が選んで使えるようにする仕組みです。既にZapierで仕事のアプリをつないでいる企業ほど、この違いを活かしやすくなります。
Zapier Agentsはどうやって作る?
まず、何を担当するAgentなのかを決めます。
「営業を手伝うAgent」のように広くしすぎるより、「新規リードを調査して条件に合うものだけ営業へ通知する」「商談前に参加者情報をまとめる」といった成果が分かる仕事に絞る方が作りやすいです。
Zapier AgentsではCopilotの支援を受けながらAgentを構成できます。役割と指示を設定し、仕事に必要なアプリやData Sourceを接続します。
たとえばリード調査なら、フォーム、CRM、Web検索、Slackなどを使えるようにします。サポートならFAQやドキュメントを知識として追加し、Zendeskなどの対応ツールを接続します。
作成後は実際の入力でテストし、Activityを確認します。Agentが何をしたかを追えるため、期待していないツールを使っていないか、必要以上の処理をしていないかを見ながら調整できます。
Agentを作るときに大切なのは、できるだけ多くのアプリを渡すことではありません。必要な仕事に絞ってToolsとData Sourceを渡した方が、Agentの役割も分かりやすくなります。
既存テンプレートも多く、Lead Enrichment、Meeting Prep、Support Email、Candidate Ranking、SEO Blog Writer、Expense Classifierなどから始められます。ゼロからAgent設計を考えにくい場合は、近いテンプレートを動かしてから自社向けに変える方が早いでしょう。
普通のZapとAgentsはどう使い分ける?
同じ条件なら毎回同じ処理をすればいい仕事はZapの方が向いています。
「フォームが送信されたらCRMへ登録」「毎朝データを取得してSlackへ投稿」のような仕事です。AIに考えさせる必要がないため、処理が予測しやすく、AgentのActivityも使いません。
Agentsが向くのは、入力によって調べる内容や次の行動を変えたい仕事です。
たとえば商談準備では、相手企業によって調べる情報が違います。見込み客の評価では、会社規模、役職、業種、Web上の情報などを合わせて判断する必要があります。こうした「人間なら状況を見て進め方を変える仕事」をAgentへ渡します。
両者は競合する機能ではありません。
Agentが調査・判断した結果を既存のZapへ渡したり、決定的な処理はZapで固定したりできます。Zapier全体としては、固定フローとAI判断を使い分ける方が自然です。
「AIを使うからAgent」ではなく、手順を人間が先に書けるならZap、目的は決まっているが手順が毎回変わるならAgentと考えると分かりやすいでしょう。
Zapier Agentsの料金について
Zapier Agentsには、Zapier本体とは別にAgents向けの利用枠があります。
Agents Freeは無料で、月400 Activitiesまで利用できます。Live Data Sources、Web browsing、Chrome拡張からの利用が含まれます。
Agents Proは年額400ドルで、月額換算33.33ドル。月1,500 Activitiesまで利用できます。
Enterpriseは個別見積もりで、Activity数をカスタムでき、組織内でのAgent共有、監査ログ、Restricted Appsなどの管理機能が加わります。
ここで重要なのが「Activity」です。
Zapier公式では、Agentが行う請求対象の行動をActivityとして数えます。Freeでは月400 Activitiesで、1回のAgent Runにつき最大10 Activities。Proでは月1,500 Activitiesで、1 Runにつき最大40 Activitiesです。
そのため「月400回Agentを使える」という意味ではありません。一つの依頼で検索、データ取得、アプリ操作など複数の行動をすれば、その分Activitiesを消費します。
Freeではテスト中のActivityも月間枠に含まれますが、ProではTestingは枠へカウントされません。Agentを作り込みながら何度も試す場合は、この違いも実用上大きくなります。
Zapier本体のZap workflowはTaskベースの料金なので、AgentsのActivityと混同しない方がいいでしょう。Agentsを導入するときは、Agent側で何Activity使い、その後のZapで何Task使うのかを別々に考えます。
Freeは、1〜2個のAgentを作って仕事の精度やActivity消費を確認するには十分です。Proへ移る意味が出るのは、Agentを実際の日常業務へ入れ、400 Activitiesでは足りなくなったときや、テストを繰り返しながら本格的にAgentを作りたい段階です。
Zapier Agentsはどんな仕事に向いている?
一番分かりやすいのは、すでに複数のSaaSを使っていて、人間がそれらを行き来しながら判断している仕事です。
営業担当者がフォーム、CRM、企業サイト、LinkedIn相当の情報、Slackなどを開いて見込み客を調べているなら、その調査と初期判断をAgentへ渡せます。
会議前に相手企業を毎回調べる、問い合わせ内容を読んで必要な資料を探す、候補者情報を一定の基準で整理する、といった仕事もAgent化しやすいです。
Zapierをすでに使っている会社には特に入りやすいでしょう。新しい自動化基盤をゼロから追加するより、既存のZapier連携をAgentから利用できるからです。
一方、決められたデータをAからBへ移すだけなら普通のZapで十分です。AIへ判断させる必要がない処理までAgentsへ移すと、Activityを消費し、結果も固定フローより予測しにくくなります。
また、ChatGPTのような汎用AIへ質問したいだけならAgentsを使う意味は薄いです。Zapier Agentsの価値は回答生成ではなく、AIの判断を9,000以上のアプリ上の実際の行動へつなげられることにあります。
まとめ|Zapier Agentsは既存のZapier連携をAIの「行動力」に変えたい人向け
Zapier Agentsは、会社のデータと9,000以上のアプリ連携を使い、目的に応じて仕事を進めるAIエージェントを作れるサービスです。
固定された処理はZap、毎回少し判断が変わる仕事はAgentという使い分けができます。
Agents Freeは月400 Activities、Proは年額400ドルで月1,500 Activities。ActivityはAgentが行う個々の請求対象行動なので、単純な実行回数とは違います。
まずFreeで一つの具体的な仕事をAgentへ渡し、1回の処理で何Activity使うのか、どの程度人間の操作を減らせるのかを見るのがいいでしょう。
Zapierを単なる「アプリ同士をつなぐ自動化」から、状況を見て仕事を進めるAIへ広げたい人ほど、Agentsを追加する意味が分かりやすくなります。