レッジョ・エミリア・アプローチとは?
イタリアのレッジョ・エミリア市の乳幼児教育から発展した教育実践です。
一つの完成したカリキュラムを世界中へ配る方式ではなく、子ども・教師・家族・地域が関わりながら学びをつくる考え方です。
「100の言葉」とは?
子どもには、話し言葉以外にも多くの表現方法があるという比喩です。
絵、粘土、音、身体、動き、光、影、遊び、構成など、さまざまな方法で世界を理解し表現します。
公式は、言語と非言語の表現を等しい価値で扱うことを重視しています。
絵をたくさん描く教育?
絵は一つの表現方法ですが、中心は美術作品を上手に作ることではありません。
重要なのは「子どもが何を考え、何を発見し、どの表現方法を使ったか」です。
完成品より、探究の過程に価値があります。
プロジェクト型学習とは?
子どもの疑問や興味からテーマを深めていく学びです。
大人が最初から「今日はこの答えを覚えます」と決め切るのではなく、観察・会話・素材・実験などを通して問いを発展させます。
短時間で終わることもあれば、長期間続くこともあります。
教師は何をする?
答えを教えるだけではなく、子どもの言葉や行動を観察し、問いを拾い、環境や素材を用意します。
また教師同士で記録を見返し、次にどんな環境や問いを用意するかを考えます。
教師自身も研究者・学習者として関わる点が特徴です。
アトリエとは?
多様な素材や表現方法を試せる場です。
絵画室のような意味に限定されず、素材・光・色・音などを通して考える場所として位置づけられます。
公式はアトリエとアトリエリスタの存在をレッジョ・エミリア・アプローチの基盤の一つとして挙げています。
アトリエリスタとは?
芸術・表現に専門性を持ち、教師や子どもと協働する専門職です。
「絵を教える先生」というより、表現と言語の可能性を教育の中へ持ち込む役割です。
環境が「第三の教師」?
レッジョ・エミリアでは環境を教育的な存在として非常に重視します。
子ども同士が対話しやすい配置、素材へのアクセス、光、展示、共有空間などが学びに影響すると考えます。
家庭でも、子どもの興味が見えるように素材を置くなど応用できます。
ドキュメンテーションとは?
子どもの発言、写真、制作物、教師の観察などを記録し、学びの過程を可視化することです。
単なる「成長アルバム」ではありません。
記録を見返すことで、教師・子ども・家族が「何を考えていたか」を再検討できます。
記録すると何が変わる?
大人が結果だけで判断しにくくなります。
たとえば完成した絵が同じでも、そこへ至るまでの問いや試行錯誤は子どもごとに違います。
過程を見ることで、次の学びを考えやすくなります。
家族はどんな役割?
Reggio Children公式は家族の参加を重要な要素として挙げています。
園と家庭を完全に分離するのではなく、教育共同体の一員として関わります。
ただし具体的な参加方法は施設によって異なります。
決まった教材はある?
モンテッソーリ教具のような標準化された教材体系が中心ではありません。
身近な素材、自然物、光、紙、粘土、再利用素材なども探究に使われます。
重要なのは「何を買うか」より、素材がどんな問いや表現を生むかです。
家庭でできる?
考え方の一部は取り入れられます。
たとえば、
- 子どもの質問をすぐ答えず聞き返す
- 制作物だけでなく話した内容も残す
- 同じテーマを数日続ける
- 複数の素材で表現する
- 写真を一緒に見返す
- 「なぜそう思った?」と対話する
などです。
家庭でドキュメンテーションするなら?
大げさなファイルは必要ありません。
スマホで作品を撮り、そのとき子どもが話した言葉を一文残すだけでも構いません。
後日一緒に見返し、「この時はこう考えてたね」と話すことが学びにつながります。
モンテッソーリとの違い
モンテッソーリは、発達に合った整えられた環境、体系的な活動・教具、個人の自発的反復を重視します。
レッジョ・エミリアは、対話・関係・共同探究・多様な表現・記録を重視します。
どちらも子ども主体ですが、学びの組み立て方は異なります。
シュタイナーとの違い
シュタイナー教育は、発達段階、模倣、生活リズム、芸術、物語などを体系的に重視します。
レッジョ・エミリアは、子どもの問いと共同探究からカリキュラムが発展していく性格が強いです。
日本で「レッジョ式」と書いてあれば同じ?
必ずしも同じではありません。
Reggio Emilia Approach®はレッジョ・エミリア市の教育経験と結びついた名称です。
日本の施設がその考えを参考にしていても、教師体制、アトリエ、家族参加、記録方法などは異なります。
見学時に実際の実践を確認してください。
園見学で見るポイント
- 子どもの作品だけでなく過程の記録があるか
- 子どもの発言が尊重されているか
- 教師同士が協働しているか
- 素材を自由に探究できるか
- 環境配置に意図があるか
- 家族との対話があるか
- プロジェクトがどう発展するか説明できるか
メリットとして感じやすい部分
- 表現方法が多い
- 子どもの問いを大切にする
- 他者との対話が多い
- 探究を深めやすい
- 大人が子どもの考えを理解しやすい
といった点です。
注意したい部分
- 成果を短期間で数値化しにくい
- 家庭や教師側にも観察・対話が求められる
- 「自由制作」だけを真似すると本質からずれる
- 施設によって実践の深さが大きく違う
点があります。
向いている家庭
- 子どもの「なぜ?」を楽しめる
- 制作・表現が好き
- 正解より考える過程を見たい
- 家族も学びに関わりたい
- 他の子との共同活動を大切にしたい
家庭に向きます。
家庭で始めるチェックリスト
- 子どもの問いを記録したか
- すぐ答えを教えていないか
- 複数の表現方法を用意したか
- 作品の過程を残したか
- 一緒に見返したか
- 子どもの説明を最後まで聞いたか
- 大人の完成イメージを押し付けていないか
「作品が上手か」ではなく問いを見る
レッジョ・エミリアの考えを家庭へ取り入れるとき、完成した絵や工作を大人が採点しないことが重要です。
「きれいにできたね」だけで終わらず、「どうしてこの色にしたの?」「途中で何が変わった?」と聞くと、子どもの思考が見えます。
大人が作品を評価するより、子ども自身が考えを言葉や別の表現へつなげることを助ける方が本質に近いです。
よくある質問
何歳向け?
発祥は乳幼児センター・プリスクールですが、考え方は他の教育段階にも影響を与えています。
アート教育?
芸術表現は重要ですが、アートだけを教える教育ではありません。
教材セットはある?
決まった教材セットを使うことが中心ではありません。
家でもできる?
対話、素材、記録、問いを大切にする部分は取り入れられます。
モンテッソーリと同じ?
子ども主体という共通点はありますが、教育方法は異なります。
まとめ|レッジョ・エミリアは「子どもの問いを一緒に研究する」教育
レッジョ・エミリア・アプローチでは、子どもを教えられるだけの存在として見ません。
子どもの問い、表現、他者との対話を通して学びを共同でつくります。
家庭で取り入れるなら、
すぐ答えない
表現方法を一つに限定しない
過程を記録する
後から一緒に振り返る
ところから始めると分かりやすいです。
公式サイト
Reggio Children公式サイトを見る
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