GoodReaderとはどんなアプリ?
GoodReaderは、PDFリーダーとファイル管理をひとつにまとめたiPhone・iPad向けアプリです。
PDFを開いて読むだけではなく、ハイライトや手書き、文字、署名などを書き込み、そのファイルを自分で作ったフォルダへ保存できます。PDF以外にもテキスト、Microsoft OfficeやiWorkの文書、HTML、画像、音声、動画など複数のファイル形式を表示できます。
一般的なPDFビューアとの違いは、「PDFを読む場所」と「ファイルを保管・整理する場所」が同じアプリの中にあることです。
たとえば仕事で受け取ったPDFを開き、必要な箇所へ書き込んだあと、そのまま「取引先A」「2026年度」「契約書」といった自分で作ったフォルダへ移動できます。ファイル名の変更やコピー、移動、削除、ZIPの作成・展開もGoodReader内で行えます。
資料を数枚見るだけなら、この仕組みは必要ありません。しかし、数十、数百のPDFを保存して何度も読み返すようになると、単に「最近開いたPDF」を探すだけでは管理しづらくなります。GoodReaderではPCのFinderやエクスプローラーに近い感覚でフォルダを作り、自分のルールで資料を残していけます。
PDFを読む機能も、長い資料を扱うことを前提にしています。
ページを連続してスクロールするだけでなく、目次から目的の章へ移動したり、ブックマークを付けたり、文章を検索したりできます。PDF ReflowではPDF内のテキストを読みやすい形に再配置できるため、紙面をそのまま縮小したようなPDFをiPhoneで読む場合にも使えます。
注釈では、ハイライト、手書き、図形、テキスト、署名などをPDFへ追加できます。iPadならApple Pencilを使って直接書き込めるため、授業資料へメモする、会議資料をチェックする、マニュアルへ自分用の注意書きを残すといった使い方ができます。
さらにGoodReaderは、端末内だけをファイル置き場にするアプリではありません。
Dropbox、Google Drive、OneDrive、Boxなどのクラウドストレージに加えて、WebDAV、SMB、FTP、SFTPなどにも接続できます。自宅や職場のNASに資料を置いている場合でも、GoodReaderから必要なファイルへアクセスできます。
標準の「ファイル」アプリにもファイル管理やクラウド連携はあります。GoodReaderを使う意味が出るのは、PDFを中心に、読む・書く・保存する・探す・外部から取得するという作業を一つの場所で繰り返すときです。
2009年から提供されている長寿アプリですが、単に昔からあるPDFビューアが残っているわけではありません。iPadを大量の資料を持ち歩く端末として使う人にとって、PDFとファイル管理を一体化した構成が現在でもGoodReaderの特徴になっています。
GoodReaderはどうやって使う?
GoodReaderはApp Storeから購入してiPhoneまたはiPadへインストールして使います。ブラウザ上で利用するWebサービスではなく、端末へファイルを保存して扱うことを中心にしたアプリです。
最も単純な使い方は、PDFをGoodReaderへ入れて読むことです。
共有メニューなどからファイルをGoodReaderへ渡したり、GoodReaderからクラウドストレージへ接続して必要なファイルを取得したりできます。取り込んだ資料はアプリ内へ保存されるので、フォルダを作って分類していきます。
仕事で使うなら、案件や取引先ごとにフォルダを作り、その中へPDFや関連資料を入れておくと使いやすくなります。勉強なら科目ごと、楽譜なら作曲家や演奏会ごとなど、管理方法は自分で決められます。
保存したPDFを開けば、そのまま閲覧や検索、注釈ができます。
資料を読んで気になった部分へハイライトを付け、Apple Pencilでメモを書き、その状態で同じフォルダへ残しておけば、次に開いたときも自分の資料として続きを読めます。
この「読んだ後のファイルをどうするか」まで考えられているのがGoodReaderの使いやすいところです。
クラウドやNASを使っている場合は、GoodReaderへ接続先を登録しておけば、そこからファイルを取得できます。
たとえばPCではNASへ仕事のPDFを保存し、外出時にはiPadのGoodReaderから必要な資料を開く、といった使い方ができます。DropboxやGoogle Driveなど複数の保存先を利用している場合も、ファイルを見るたびにそれぞれの専用アプリを開く必要がありません。
ただし、外部ストレージへ接続してファイルを扱えることと、GoodReader内のフォルダを自動的に同期し続けることは別です。後者のAuto Syncは追加機能になるため、ここは料金と一緒に考える必要があります。
現在はApple Silicon搭載Macでも利用できますが、GoodReaderの操作や役割はiPhone・iPadで資料を持ち歩く使い方との相性が特に良いです。とくに画面が広くApple Pencilを使えるiPadなら、PDFを読みながら書き込むところまで一台で行いやすくなります。
GoodReaderの料金について
GoodReader本体は、日本のApp Storeで1,000円です。
月額1,000円ではなく、最初に本体を購入する方式なので、PDFの閲覧やファイル管理を中心に使うなら継続的な利用料を前提にする必要はありません。
ただし、現在のGoodReaderには追加の「Pro Pack」があります。
App StoreにはPro Packの月額300円、年額1,950円、買い切り13,000円などが掲載されており、Auto Syncについても買い切り1,500円のアプリ内購入があります。
そのためGoodReaderは、本体1,000円の買い切りアプリではあるものの、すべての高度な機能まで1,000円に含まれるわけではないと考えて購入する必要があります。
本体だけでも、PDFを読んで書き込み、複数のファイルをフォルダへ整理し、クラウドやサーバー上のファイルへアクセスするというGoodReaderの基本的な使い方はできます。
Pro Packが必要になってくるのは、PDFそのものをさらに加工したい場合です。
たとえばPDFのページを追加・削除・並べ替える、複数のPDFをひとつへ結合する、一部のページだけを別PDFとして取り出す、といったPDF Page ManagementはPro Packに含まれます。
仕事で届いた50ページのPDFから必要なページだけ抜き出して別資料を作るような使い方なら、単にPDFへ書き込めるだけでは足りません。こうした作業までiPadで済ませたい場合にPro Packの意味が出てきます。
クラウドとのAuto Syncも同様です。
DropboxやGoogle Driveへアクセスして必要なファイルを取得するだけなら、自動同期とは役割が違います。GoodReader内のフォルダとサーバー側のフォルダを継続して同じ状態に保ちたい場合にAuto Syncが必要になります。
AES-256による暗号化やパスワード付きPDF、暗号化ZIPなど、より強いセキュリティ機能もPro Pack側です。
だから、最初から本体とPro Packをまとめて購入する必要はありません。
PDFを読む、書き込む、整理するためにGoodReaderを使いたいなら、まず本体で十分かを見る。実際に使っているうちに「PDFのページ編集までiPadでやりたい」「クラウドと自動同期したい」と感じるようになったら追加機能を検討するほうが、GoodReaderの料金体系には合っています。
逆に、購入時点からPDF結合やページ抽出、自動同期を主目的にしているなら、本体価格の1,000円だけで判断しないほうがいいでしょう。
GoodReaderはどんな使い方に向いている?
GoodReaderを買う意味が出やすいのは、PDFが一時的な閲覧物ではなく、繰り返し使う自分の資料になっている人です。
仕事のマニュアルや契約書を大量に持ち歩く場合、ファイルを開くたびに保存場所を探すより、GoodReaderの中に用途別のフォルダを作っておくほうが扱いやすくなります。必要な場所へハイライトやメモを残しておけば、同じPDFを次に開いたときにもそのまま利用できます。
学生や研究用途でも、教材や論文を大量に保存して読むなら相性があります。単にPDFを読むだけではなく、検索し、書き込み、あとで同じ資料へ戻るという使い方が増えるほどGoodReaderの機能が生きてきます。
楽譜をiPadで管理するような用途もあります。PDFをフォルダへ分類して持ち歩けるため、大量の紙を持ち運ばずに済みます。
NASや複数のクラウドストレージを使っている人にも特徴がはっきりしています。SMBやFTP、SFTP、WebDAVなどにも対応しているので、ファイルがiCloud Driveだけに集約されていない環境でも使えます。
反対に、月に数回PDFを開く程度ならGoodReaderを購入する必要性は高くありません。
現在のiPhoneやiPadでは、標準の「ファイル」やプレビュー機能だけでもPDFの閲覧や基本的なファイル管理ができます。数枚のPDFを保存するためだけにGoodReaderへ管理場所を増やすと、かえって面倒になる可能性もあります。
「無料アプリよりPDFがきれいに見えるから」という理由で選ぶアプリでもありません。
GoodReaderが便利になるのは、資料の数が増え、読むだけではなく整理や書き込みまで必要になったときです。
Pro Packについても同じで、全員に必要なものではありません。PDFのページそのものを編集する、自動同期する、強い暗号化を使うといった用途がなければ、本体の範囲で使い続ける選択ができます。
まとめ
GoodReaderは、PDFビューア単体として見ると、以前ほど「これがなければ困る」アプリではありません。iPhoneやiPadの標準機能が充実し、PDFを開いて保存するだけなら追加アプリなしでもできるからです。
それでも、大量のPDFを継続的に使う人にはGoodReaderを選ぶ理由があります。
資料をフォルダへ集め、読み、検索し、書き込み、必要ならクラウドやNASから別のファイルを持ってくる。この一連の作業をGoodReaderの中で続けられることが、本体1,000円を払う一番分かりやすい価値です。
注意したいのは、現在は高度なPDF編集やAuto SyncなどがPro Pack側に分かれていることです。「1,000円ですべての機能が永久に使えるPDFアプリ」を期待しているなら合いません。
反対に、標準の「ファイル」ではPDFや資料の管理が窮屈になってきた人なら、まず本体から使う意味があるアプリです。Pro Packは、その先でGoodReaderをPDF編集や自動同期まで任せるようになってから考えれば十分です。